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食後に起こる腹痛って? 症状別原因と痛みを緩和するおすすめ対処法

 

 食事は毎日の生活に欠かせないもの。 生命の維持に必要というだけでなく、おいしくものを食べるということは 毎日を楽しむということにもつながる大切なことです。

 しかし、いつも食べるとすぐにお腹が痛くなってしまい

「お腹が弱いから仕方ないのかな」
「食べたものが悪かったのかも」

...などと、疑問をお持ちの方も多いはず。 そんな疑問を解消するために

  • 食べ物の消化のしくみ
  • 食後の腹痛の症状から考えられる原因
  • 食後の腹痛の改善策
  • 病院での検査について

...を中心につらい食後の腹痛を改善するためのポイントをご紹介していきます。

 食事をするたびにお腹が痛くなってしまうと、肉体的な苦痛だけでなく精神的にも大変辛く 大きなストレスとなり、別の症状を引き起こすことにもつながります。

 

 

1.食べ物の消化と吸収

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 食べ物は、口から食道→胃→小腸→大腸→直腸→肛門といった消化管をたどり、体にとって吸収しやすいように変化し、消化されてから便となって排出されます。  

 生命を維持するには食べ物は不可欠であり、食べたものを体内に栄養分として取り込むには、この消化管の働きが必要です。  

◆食べたものはすぐには出てこない  

 食後に下痢をする人の中には「食べたものがすぐに出てくる」と言う患者さんが多くいらっしゃるそうです。  

 しかし、食べ物が胃袋に入ってから直腸に達するまで約12時間かかるのが普通です。   

 食後にすぐ出てくる便は、今食べたものではなくて、上行結腸で「まだ脱水を終えていない内容物」です。  

それが、食後の胃・大腸反射によって、下痢便として出てしまうわけです。 

 

 ここからは、便意を催すしくみと内臓の働きを詳しく見てみましょう。  

食べたものは  

①食道を通って、胃袋から小腸に移行し、消化・吸収が進みます。  

②そして、右下腹部の盲腸に達します。盲腸からは、上に向かう「上行結腸」進みます。    

・上向結腸の働き  
 消化管内で唯一、食べ物が「行ったり来たり」する箇所です。つまり、内容物が逆流する唯一の箇所、ということです。
 行ったり来たりしながら何をしているのかというと、「脱水」です。胃腸内の内容物は、消化液と混ざってドロドロの液状になっているので、そのまま出てきたら、誰でも下痢便になってしまいます。 そこで「上行結腸」で水抜きをして、ちょうどよい固さにしているわけです。  

③上向結腸でちょうどよい固さになったら、「横行結腸」に進められます。   

横行結腸は、胃の前を横切って左わき腹に達して、そこから下降して、S状結腸→直腸と進みます。  

・横行結腸から直腸までの動きと便意  
 いつも動いているわけではなく、「食後だけ」動くようになっています。そうでないと、ずっと「垂れ流し状態」になってしまうからです。食後にまず胃袋が動くことによって、反射的に横行結腸以降が動きだして(=胃・大腸反射といいます) それによって「便意」を催す、というしくみになっています。  

 食後の腹痛は内臓の疾患やストレスなどの影響で、このような消化・吸収の働きが正常に働かなくなった時に起こります。    

2.症状から考えられる原因と病気

 腹痛にはさまざまな症状があるため診断が難しいと言われています。ここからは、症状別の考えられる原因と病気をご紹介していきます。    

2-1.食べると胃が痛む

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胃潰瘍   
 特徴:食事中や食後にみぞおち付近が痛む。ほかにも、おなかの張りや胸やけ、吐き気、嘔吐、げっぷ、食欲減退といった症状もみられます。  

 胃潰瘍とは胃の粘膜や胃壁が損傷する疾患で、ひどい場合には潰瘍が完全に胃壁に穴をあけてしまうこともあります。  食事で口にした食べ物が胃の中に入り、このような潰瘍部分を刺激してしまうため、食中や食後に痛みを感じます。

・機能性ディスペプシア   

 特徴:内視鏡検査をしても、胃潰瘍や胃癌などの異常が見つからない。症状が週2~3回以上ある 。6ヵ月以上前から始まり、3か月以上続いている。   

 食事をすると胃酸が分泌されて消化を促します。胃壁の胃酸に対する感受性には個人差があるので、感受性が強すぎる場合胃酸が出すぎていなくても胃壁が刺激されて痛みを感じる人がいます。  

◆胃炎を軽く考えない専門医を探しましょう    

 胃炎について相談するなら  ピロリ菌は胃炎や胃癌の原因となる菌でおなかに棲んでいます。ピロリ菌に関する知識が豊富なピロリ菌感染症認定医なら、胃炎に対する常識を持っているので安心です。

以下のサイトで学会が認定する全国の医師・医療機関を検索できます。   

一般社団法人日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医一覧  

「たかが胃炎」と軽く考えてしまうのは、本人だけではありません。胃腸の専門医でない場合、胃炎は軽視される傾向があり、さらに専門医でも内視鏡検査で胃粘膜の変色を見逃したり「加齢によるものだから大丈夫」と片付けてしまう人もいます。 これは、一昔前まで胃粘膜の炎症は単なる加齢による変化だと考えられていたためです。    

2-2.下腹部が痛む

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サルモネラ食中毒

 特徴:生卵を食べた後の突然の発症(左下腹部)  

 卵はサルモネラ菌による食中毒の代表的な食材で、生または不十分な加熱のまま食べた場合感染する可能性があります。卵とサルモネラについては  

株式会社 東邦微生物病研究所 総合衛生研究所     

に詳しい情報がありますので、参考にしてください。     

過敏性腸症候群  

 特徴:下痢や便秘の症状を伴うことが多く、病院での検査で「異常がない」と判断されることが多い。 次の3つの症状に当てはまれば、過敏性腸症候群の可能性が高いです。  

  1. おなかの痛みや不快を1か月に2回以上くり返す  
  2. 排便すると痛みや不快などの症状がやわらぐ  
  3. 腹痛時に便の回数が増減(便秘、下痢)する  

潰瘍性大腸炎  

 特徴:初期症状が過敏性腸症候群と似ているため注意が必要です  

 詳しい症状については2-3.下痢の症状を伴うをご参照ください。   

2-3.下痢の症状を伴う

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食後すぐの下痢を伴う腹痛は

  • 食後は腸のぜん道運動が促されるために活発になること

  • 上記に加え、冷えや食べ過ぎ・ストレスなどにより腸の運動が過剰に活発になる

...ことで起こることが多いですが、他の症状を併発している場合は病気の可能性もあります。  

 

◆食後すぐの下痢を伴う腹痛から考えられる二大疾患「潰瘍性大腸炎」「過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

 大腸の検査をしても「とくに異常がない」と判断されてしまうのが特徴です。異常がないと言われるといつもの精神的な腹痛や下痢だと思って放置してしまうのですが、注意が必要です。

 なぜならば「潰瘍性大腸炎」の初期症状はこの「過敏性腸症候群」とそっくりだからです。

潰瘍性大腸炎の特徴

✔血便(痔の場合は真っ赤な鮮血、潰瘍性大腸炎の場合は大腸の中からの出血のため赤黒い)
✔便に白い粘液がつく
✔食欲不振
✔体重減少
✔症状が進むと発熱

 

潰瘍性大腸炎

 特定疾患に指定された難病のため、公費補助の対象疾患になります。

 重症化すると大腸に穴が開き大量出血して緊急手術が必要になったり、 大腸がんを併発することもあります。 食後にいつも腹痛や下痢が起こる症状が続く場合は、一度消化器内科を受診することをおすすめします。   

 食事をすると腸のぜん道運動が活発になります。通常ならこのぜん動運動によって排便が促され便秘を防ぐのですが、腸が過敏になっていると ちょっとした刺激に反応して、下痢を起こしてしまうことがあります。    

2-4.便秘・腹部膨満感

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過敏性腸症候群  

 特徴:下腹部が痛み便秘や下痢の症状を伴うが、検査をしても異常が見つからない  

 過敏性腸症候群には「下痢型」「便秘型」「混合型」があり、「便秘型」は女性に多いと言われています    

2-5.フードアレルギー

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 特徴:子供の場合は5大アレルゲンと言われる「卵」「小麦」「牛乳」「米」「大豆」が多く、下痢を伴う腹痛以外に、じんましんや  呼吸器の症状などが出ることが多く、アナフィラキシーと呼ばれる全身性のショック症状は呼吸困難や意識がなくなるなど重篤な症状が出ます。  

 大人になってからのフードアレルギーは今までなんともなかった食材に対してアレルギーになったり、同じ食材を食べ続けているとアレルギー反応が出る こともあり、本人でもなかなか気づきません。また、アレルギーが出る食材は5大アレルゲンに限りません。

3.病院へ行く前に出来るケア

 食後にお腹が痛くなる原因や症状は様々で、痛みの部位や併発している症状によっては病気が疑われる場合もあります。 しかし、すぐに病院へ行かれないからと言って病院へ行くまで食事をしない訳にはいきません。

ここからはご自分で出来る腹痛の対処法をご紹介します。

3-1.お腹を強くする食生活

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 おなかの不調の症状が違っても、共通して改善したいのが食生活です。薬などの治療で一時的に不調が改善されても、食生活を改善しなければまた元に戻ってしまいます。

 食材など食事の内容も大切ですが、まずは3つのルールを守ってみましょう。  

◆食生活改善の3つのルール  

 ルール1.朝食をとる  
朝食をとることで胃腸の運動能力を取り戻しましょう。胃の運動リズムが整い、胃に連動して小腸や大腸も活動的になります。  

 ルール2.いろいろなものを食べる  
 腸内にはいろいろな細菌が棲んでいて、細菌の種類が少ないと腸内環境が悪化し、下痢や便秘だけでなく肥満や免疫力低下を起こします。 

 多種多様なものを食べて腸内細菌のバリエーションを増やし、腸粘膜のバリア機能をアップさせましょう。  

 ルール3.消化にいいものをとる  

 胃で未消化の内容物が送られると、腸に負担がかかります。栄養分を多く含むため小腸で吸収しきれずに、大腸に余分な栄養が届くことで 腸内環境が乱れます。 

 胃腸に負担をかけない消化しやすいもの=食べ物の脂肪分に比例するため、脂肪分の少ないたんぱく質を多く含む食事が  消化しやすく、天ぷらやステーキなどは消化がわるいので控え目にしましょう。    

 3つのルールに加えて「早食いせずによく噛む」「ながら食べをやめる」「食べ過ぎない」を心がけるとさらに消化の助けになります。 また、食材は同じ肉や魚でも脂肪分が少ないものを、調理の際は焼いたり、ゆでたり、湯通しして脂分を落とすとよいでしょう。

3-2.痛みを軽減する裏ワザ

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 食生活や生活習慣などで根本的に改善するのが一番良いのですが、急な腹痛は次の食事の際にも起こるかもしれません。 そんな時にぜひ試していただきたい裏ワザをご紹介します。

①胃(みぞおち)が痛む場合 

・まずはよく噛んで食べる  
...食べ物は食道を通ってまず胃に流れ込みます。よく噛まない状態で食べ物が入ると、胃が過剰に働かなければならなくなり胃酸が多くなります。 過剰な胃酸が胃の壁を刺激して痛みが起こります。  

・食前に少量の唐辛子を摂取する  
...唐辛子に含まれるカプサイシンという成分には痛みを感じるレセプター(受容体)を鈍らせる効果があります。 唐辛子を食前に少しずつ摂取しつづけると、胃痛などの不快な症状を感じにくくなることが期待できます。 唐辛子の辛みが苦手ならカプサイシンサプリメントでも同じ効果があります。  

・食後に白湯を飲む
...食後に胃が痛む人はそもそも胃酸が出すぎる傾向にあります。食後の白湯を飲むことで胃酸を薄めることができます。  外食の時も白湯ならお店の人に頼みやすいと思います。ただし、熱々は胃を刺激してしまうので少し冷ましてから飲みましょう。       

・薬を持ち歩く  
...裏ワザではありませんが、食後にいつも胃が痛いという場合は薬の服用が有効な場合もあります。  

②下腹部が痛む   

◆下痢の症状による痛みがある場合  

・トイレに行く  
...排便で症状が治まることが多いので、可能であれば我慢せずにトイレに行って出し切ってしまいましょう。 痛みがあるだけで排便されない場合は、マッサージを試してみましょう。  

・深呼吸する  
...すぐにトイレに行かれない場合、下痢の痛みでお腹がキューと痛くなり便意を感じそうだと思ったら、症状がひどくなる前に「腹式呼吸」で深呼吸をすると腸の働きを活発にする交感神経を鎮めて腸を落ち着かせる効果があります。  

吸うときより吐くときをゆっくり長くするようにしましょう。  

◆トイレで5分 簡単マッサージ  

・下痢が原因の場合
...「反時計回り」にお腹を5分ほどなでましょう。

・便秘が原因の場合
...下痢の場合と逆の「時計回り」にお腹を5分ほどなでましょう。腸は時計回りで動いているため、下痢の場合は活発に動いている腸の動きを鎮めるために「反時計回り」便秘の場合は腸が動かなくなっているので動きを活発にする為に「時計回り」が効果的です。逆にしないように気を付けましょう。  

③便秘やガスでお腹が張って痛い場合  

・お尻を叩く  
...腰の筋肉を刺激すると腸が活性化します。お尻の腰に近い部分からウエストまで手でこぶしを作り軽くトントンと叩きます。ウエストから腰の部分へ同じようにして戻ります。 

痛みを感じない程度に軽く叩くのがポイントです。気持ちがいいと感じる部分があったら、しばらくそこを叩いて刺激しましょう。  

・手のひらをお腹にあてて「の」の字マッサージ  
...前述の「トイレで5分 簡単マッサージ」の通り時計回りが効果的です。5分ほどすると張りが減ってきます。  

・手のひらをお腹にあてて温める  
...人前でマッサージがしにくい場合は、「おへその上のみぞおちの部分」「おへそ下5cmくらいの部分」「おへその左右3.4cmの部分」にあるツボを、手のひらの温度で温めることを何度かくり返しましょう。    

4.病院での検査

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 食後の腹痛には「おなかが弱いから」では済まされない また、不快な症状を我慢し続けることがストレスとなり悪化したり 新たな病気を発症する可能性もありますので、医療機関を受診することも考えてみましょう。    

◆「体質だから」で済まさずに医療機関へ 

✔「おなかが弱い」と自覚があり、ほぼ毎食後に腹痛が起こる場合は躊躇せずに医療機関で相談しましょう  

✔ 過去に医療機関で「問題ない」と言われた人も、現在不調が改善されていない場合は受診しましょう  

✔ 医療は日々進化しています。最新の方法で検査をしましょう。特に以前の検査から3年以上経っていたら受けなおした方がいいでしょう  

 どの病気に対しても、効果的な薬が開発されています。最初は薬を使って不快な症状を取り除いていきます。 同時に生活習慣や食習慣を見直し、数か月かけて少しずつおなかの不調を改善していきましょう。  

 それでは病院へ行った場合にどのような検査をするか、検査の種類をご紹介します。長引く腹痛を治すには、原因を特定することが不調を治す第一歩です。  

内視鏡検査   
...胃に不調がある場合、レントゲンや超音波検査ではわからない、胃の粘膜の状態を確認できます。 腸に不調がある場合も、腸にはガスが溜まるため超音波が不向きなので内視鏡検査を行います。    

・超音波検査   
...胃腸のようにガスが発生する部位には不向きですが、それ以外の部位には体に負担が少なく、10分から20分で誰でも受けられます。  

・CT検査   
...脂肪によって超音波の通りが悪くなり見えにく人はCT検査を行うこおtもあります。ただし、妊婦さんや心臓ペースメーカーなどを使用している人は受けられません。  

・カプセル内視鏡
...カプセル内視鏡は、超小型のカメラを内蔵したカプセルを飲み、小腸や大腸など消化器を直接観察する検査です。 従来の内視鏡検査だと挿入時に「痛いかも」といった不安があるかもしれませんが、痛みはありません。

また、従来の内視鏡検査では診ることのできない小腸の検査もできます。 検査方法は、直径11mm、長さ26mmのカプセルを、水分と一緒に口から飲み込むだけです。腸内の撮影を終えると、カプセルは肛門から排出されます。

「日本赤十字社 大森赤十字病院」のHPで詳しく説明しています。  

 検査をして原因がわかれば、症状や病気に合わせた適切な治療を受けることができます。 以前に処方してもらった薬が効かなかった場合も、新しい薬や治療法が次々と開発されていますので 病院を再診する際には、お薬手帳など以前い処方してもらった薬がわかるものを持参すると良いでしょう。    

5.まとめ

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 食後の腹痛は不快な症状が続いていたり、症状が辛いにもかかわらず慢性化しやすいため、本人も「またいつものことか」と我慢してしまいがちです。

 病院での受診を検討している間にも、次の食事のあとに腹痛が起こるかもしれません。 少しでも腹痛を軽減するためにも、以下の痛みを軽減する裏技を試してみてください。

◆胃が痛む場合

・よく噛んで食べる
・食べる前に少量の唐辛子をとる
・食後に白湯を飲む

◆下腹部が痛む・下痢の症状がある場合
・トイレに行く
・マッサージをする (反時計回り)
・深呼吸する

◆便秘やガスがたまっている場合
・お尻たたきをする
・マッサージをする(時計回り)
・お腹を温める  

 しかし、なんの問題もないのに体の不調が起こることはあまりなく、その症状は体が発している警告かもしれません。  

 対処法を試しても痛みが改善しない、同じ場所が繰り返し痛む、痛みが長引くなどの場合には早めに病院を受診してください。

 病院での検査も含めて、この機会に原因を見つけつらい症状を解消しましょう。